共創研究プロジェクト
教育データ利活用EdTech(エドテック)のELSI対応方策の確立とRRI実践
プロジェクトの概要
教育データを利活用する EdTech(Educational Technology, エドテック)は、日本においても教育データ利活用ロードマップが策定され、EdTechの推進基盤が構築されつつあります。
EdTech分野の特徴としては、内包される科学技術が、能力測定や評価のデジタル化、個別最適学習のための分析、顔認証や感情・集中力・悩みの内部測定など、成熟した技術から萌芽的な技術まで広範にわたること。加えて、各国・地域の社会や文化における教育・学びのあり方の多様性などを考慮することが必要なこと、などが挙げられます。
米国等のEdTech先進国においては、事後的に(ex-Post)に解決しなければならない教育データ利活用EdTechの倫理的・法的・社会的課題(Ethical, Legal and Social Issues: ELSI)が既に顕在化しています。本プロジェクトでは、それらケースや対応方策例を参考に、教育分野及び日本社会特有の論点や根源的問いを探求した上で、予見的(ex-Ante)に将来起こり得る影響を予測し、それらのリスクを評価するとともに、対応方策を探索します。
これからの日本社会における教育データ利活用EdTechのELSIを予見的に探索しながら、多様なステークホルダーと協働し、責任ある研究・イノベーション(Responsible Research and Innovation: RRI)の実践的検討にも取り組みます。
研究開発実施体制
・研究代表者
加納 圭(滋賀大学大学院教育学研究科 教授)
・研究実施者
ELSI調査研究グループ:
岸本 充生(大阪大学社会技術共創研究センター センター長/教授)
神崎 宣次(南山大学国際教養学部 教授)
堀口 悟郎(岡山大学学術研究院社会文化科学学域(法学系) 教授)
後藤 崇志(大阪大学大学院人間科学研究科 准教授)
ELSI国際比較グループ:
藤村 祐子(滋賀大学大学院教育学研究科 准教授)
高橋 哲(大阪大学大学院人間科学研究科 准教授)
佐藤 仁(福岡大学人文学部 教授)
ELSI伴走グループ:
加納 圭(滋賀大学大学院教育学研究科 教授)
塩瀬 隆之(京都大学総合博物館 准教授)
水町 衣里(大阪大学社会技術共創研究センター 准教授)
村上 正行(大阪大学全学教育推進機構 教授)
若林 魁人(大阪大学社会技術共創研究センター 特任研究員)
ELSIセンター参画教員
岸本 充生(研究実施者)
水町 衣里(研究実施者)
村上 正行(研究実施者)
若林 魁人
関連プロジェクト
- JST-RISTEX『科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム』「教育データ利活用EdTech(エドテック)のELSI対応方策の確立とRRI実践」研究代表者:加納 圭(滋賀大学)2022年10月~2026年3月
- JST-RISTEX『科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム』プロジェクト企画調査「学習データ利活用Edtech(エドテック)のELSI論点の検討」研究代表者:加納 圭(滋賀大学)2021年10月~2022年3月
関連情報
- JST-RISTEX『科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム』のウェブサイト:https://www.jst.go.jp/ristex/rinca/index.html
- ELSI NOTE No.47「教育データEdTechの導入とELSI対応のグローバル動向に関するインタビュー記録」を公開(2024年10月公開)
https://elsi.osaka-u.ac.jp/research/3154 - 本プロジェクトメンバーが分担執筆した書籍が刊行(2024年10月発行)
https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766429817/ - 本プロジェクトのメンバーが取材を受けた番組の放送
NHK 首都圏ネットワーク「子どものデータ活用で虐待やヤングケアラー・貧困など早期の支援を プライバシーなどに課題も」(2024年7月23日放送)
https://www.nhk.or.jp/shutoken/yokohama/articles/101/009/12/ - 本プロジェクトのメンバーが取材を受けた記事の掲載
読売新聞「学習端末で子供の心把握 不登校・いじめ「兆し」に注意…個人情報の保護課題」(2024年4月7日公開)
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20240407-OYT1T50006/ - プロジェクトとして「教育データの利活用に係る留意事項(第2版)(案)」に対するパブリックコメントを提出(2024年3月19日)
提出意見 - The 3rd Global STS Conference(シンガポール)において、若林らが学会発表「Anticipative response to ELSI (ethical, legal, and social issues) of EdTech in Japan」(2024年2月23日)
https://blogs.ntu.edu.sg/nisth/events/ntu-sts-conference-2024/ - 日本工学会 技術倫理協議会 第19回公開シンポジウム「新時代に生きる技術者としての科学技術に関する倫理・法・社会的課題(ELSI)を考える」(2023年12月4日開催)に、研究代表者 加納圭が登壇
開催案内:https://www.jfes.or.jp/topic/topic20231030_event20231204.pdf - 本プロジェクトのメンバーが取材を受けた記事の掲載
朝日新聞「心『見える化』、子ども救えるか」(2023年11月5日公開)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S15785000.html - 日本教育工学会 2023年秋季全国大会 シンポジウム1「ELSIの視点から先端科学技術の教育活用を考える」(2023年9月16日開催)に、研究代表者 加納圭が登壇
開催案内:https://www.jset.gr.jp/taikai43/session.html - ELSI NOTE No.31「教育データEdTechのELSI(倫理的・法的・社会的課題)を考えるための国内外ケース集」を公開(2023年9月公開)
https://elsi.osaka-u.ac.jp/research/2424 - 本プロジェクトのメンバーが取材を受けた記事の掲載
朝日新聞「データで子どもは「見える」のか 活用の最前線と課題」
第1回 子どものSOSはAIが救う? 心の天気、検索履歴…見える化の先は(2023年9月3日公開)https://digital.asahi.com/articles/ASR8T6QYVR8LULLI004.html
第2回 「AI教師」にリスク、「個別最適」は最適か 広がる教育データ活用(2023年9月3日公開)https://digital.asahi.com/articles/ASR8T73VGR7LULLI005.html
第5回 支援が必要な子はどこに? 生活、学力、非認知能力…データ活用模索(2023年9月5日公開)https://digital.asahi.com/articles/ASR8Y41QVR8LULLI002.html
第6回 銃、性的指向…子どものSNS監視 安全かプライバシーか、米で議論(2023年9月5日公開)https://digital.asahi.com/articles/ASR8T7DKYR8QULLI004.html - 「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2023」に、ブース「どうなる!?未来の学校!!」を出展
開催案内:https://elsi.osaka-u.ac.jp/contributions/2267
開催報告:https://elsi.osaka-u.ac.jp/contributions/2303 - 本プロジェクトについて言及された記事「学習端末でのデータ活用、新たな見守りツールか過剰な監視か…プライバシーや人権を考える」の掲載(2023年3月28日):https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20230327-OYT1T50087/
- プロジェクトとして「教育データの利活用に関する留意事項」に対するパブリックコメントを提出(2023年3月10日)
提出意見 - 研究・イノベーション学会 第37回年次学術大会 企画シンポジウム「教育DX 政策実現に向けて」(2022年10月24日開催)に、研究代表者 加納圭が登壇
開催案内: https://jsrpim.jp/archives/5095
https://www.kokuchpro.com/event/15b7e81c45f823e438e0110ac08f9a6e - 教育データの利活用に関する有識者会議(第13回)(2022年10月11日開催)において、研究代表者 加納圭が話題提供
開催案内:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/158/kaisai/mext_00016.html
会議資料:https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/mext_00442.html
(2024年10月16日現在)