人材育成・社会貢献

「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2023」に、ブース「どうなる!?未来の学校!!」を出展しました。

2023年7月8日に開催された「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2023」(主催:大阪大学)に、大阪大学ELSIセンターがブース「どうなる!?未来の学校!!」を出展しました。

来場者のみなさんには、「学力・学習チャレンジアプリ」という”新しいテスト”を体験してもらいつつ、未来の学校にまつわるあれこれ、思い出したエピソード、みなさんが感じた「ドキドキ」や「モヤモヤ」を、“お便り”に書いていただきました。そして、集まった“お便り”を元に、ゲストを迎えつつ、ラジオ番組風のトークセッションを行いました。

当日は、ELSIセンターのブースには、160名以上のみなさまにお越しいただきました。届いた”お便り”は、事前にお送りいただいたものを含めて84通でした。

今回の企画にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

<イベント概要>
■ 開催日時:2023年7月8日(土)11:00〜17:00
■ 会場:ららぽーとEXPOCITY 1F 光の広場
■ 出展者:大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)
■ 企画:大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)(若林 魁人・水町 衣里)
■ デザイン・イラスト:アトリエ・カプリス
■ 協力:公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)
*JST/RISTEX「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム」プロジェクト企画調査「学習データ利活用EdTech(エドテック)のELSI論点の検討」(代表者:加納圭)の一環として実施。
■ 開催案内ページはこちら:https://elsi.osaka-u.ac.jp/contributions/2267

 

会場で来場者のみなさんに体験をしていただいた「学力・学習チャレンジアプリ」は、全国の小学校6年生を対象に行われた全国学力・学習状況調査(2018年度)の悉皆データに基づいて開発されました(*1)。学習者に合わせた問題(内容も、問題数も、人それぞれ!)が出題されるのが特徴です。今回は、小学校5-6学年が活用することを想定したものを体験していただきました。
(*1:滋賀大学 加納圭、大阪大学 後藤崇志、京都大学 塩瀬隆之らが開発。)

あわせて、ブースでは、個別最適化学習についての紹介を行うポスターや、現在導入されようとしている多種多様な教育に関わる技術(EdTech)が埋め込まれる未来の学校のイメージが描かれたポスターを提示しました。

来場者のみなさんには、アプリの体験や、ポスターを介したスタッフとの会話を通して、感じたこと、普段から疑問に感じていることなどを、“お便り”として記入し、ポストに投函していただきました。

集まった“お便り”は、ラジオ番組風のトークセッションの中でご紹介しました。開催時間中に、3回のトークセッションを行い、”ラジオパーソナリティー”は、ELSIセンターの若林 魁人 特任研究員が務めました。それぞれの回には、「学習データ利活用EdTech(エドテック)のELSI論点の検討」プロジェクトメンバーがゲストとして登場しました。

以下、各トークセッションのゲストと、その回でご紹介した”お便り”の概略です。
(*読みやすくするために、実際に届いた”お便り”に編集を加えて掲載しています)

セッション1 ゲスト:加納 圭(滋賀大学教育学系)

このセッションでは、以下のような”お便り”を取り上げました。
「顔の映像から、集中力や悩みを推定するという技術は、言葉で悩みを打ち明けられない年齢の子どもたちには救世主になるかもしれないが、自分の言葉で考えや悩みを表現する力を身につけられるかが心配になりました」

新しい技術が子どもたちの学びや生活を助けてくれる可能性もあるが、自分の感情を技術に決められてしまうという側面に対する懸念についてゲストと話す時間になりました。

また、
「学校が簡単すぎてつまらないから(個別最適な)未来の学校の方が楽しそうだけど、先生になりたいから先生はいなくなってほしくない」
「考える力や発想力を養う力を学校で学ぶことができればよいと思う」
「好きなことや興味のあることを追求できるような勉強をさせてあげたい」

一人ひとりの関心や探究心を育てる教育への期待も寄せられました。

セッション2 ゲスト:後藤 崇志(大阪大学大学院人間科学研究科)

このセッションでは、以下のような”お便り”を取り上げました。
「(先生の役割の一部がデジタルに置き換わることによって)評価が公平になって担任の先生によってばらつきがなくなるのは良い点、担任の先生それぞれのキャラクターがあり、個々にあった相談などがしにくくなるのが良くない点」
「学校はどうしても行かなくちゃならない場所ではないと考え方・感じ方をアップデートしなければいけないと自分に言い聞かせている」
「未来の学校は今のままがいいなーと思います」

さまざまなEdTechを紹介しつつ、技術や求められる教育の価値が変化してゆく中で、先生の役割はどのように変化してゆくのか、あるいは変化しないのか、といった話をお送りしました。

セッション3 ゲスト:岸本 充生(大阪大学ELSIセンター)

このセッションは、ブースにお越しいただいたみなさまに、いろんなことを問いかけながら進みました。取り上げた”お便り”は以下のようなもの。
「Chat GPTが出てきたことで『話して説明する能力』が求められるような世の中になっていきそう」
「昔の自分のように手をあげて発表するのが苦手でも、EdTechがあれば、“サイレント発表”のようなことができるかも…?」

「自らゆっくり考える能力」と「考えを発表したり即興でディスカッションする能力」の違い、さらには「アルゴリズムによる最適化」が根付いた世界で自らゆっくり考えることの重要性、といった話にも広がってゆきました。

 

このラジオ番組風の企画「RADIO ELSI」では、ブースに立ち寄って下さったみなさんと、楽しくいろいろなお話をすることができました。ありがとうございました。

またどこかでお会いしましょう!

 


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