FDプログラム「日本の科学技術政策の現在と課題-科学技術基本法改正を中心に」(担当:標葉隆馬 准教授)@オンライン が行われました。

2020年11月12日 掲載

2020年11月10日、ELSIセンターが主催するFDプログラム「日本の科学技術政策の現在と課題−科学技術基本法改正を中心に」@オンライン が行われました。このプログラムは大阪大学新任教員研修プログラムのひとつとなっています。

講師は、標葉 隆馬 ELSIセンター准教授がつとめ、大阪大学教職員を中心に68名の参加がありました。

 本プログラムは、参加者の皆さんに今後の研究活動環境・競争的資金の変化について理解の基礎を構築していただくことを目的としました。標葉 准教授より、日本の科学技術政策の歴史と現状の概観、科学技術基本法の改正(科学技術・イノベーション基本法)によって生じる影響について説明がなされました。

<プログラム概要>
■ 開催日時:2020年11月10日(火)13:30〜15:00
■ 実施形態:オンライン開催
■ 主催:大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)

まず、1995年の科学技術基本法の制定にいたるまでの日本の科学技術政策の流れを確認したあと、同法を根拠として5年ごとに策定される科学技術基本計画にしたがって科学行政が進められるようになったこと、大学の研究も経常的資金から競争型・プロジェクト型資金に依存する割合が増えていったことといった、現在の大学が置かれている制度的環境が整えられていった過程が語られました。

次に焦点となったのは、2020年に可決された科学技術基本法から科学技術イノベーション基本法への改正と、それが研究環境の変化にもたらしうるインパクトについてでした。基本法の範疇から人文科学を除外する規定の撤廃と、同時に経済的効果を重視したイノベーション概念の継承が同時に行われたことで、人文社会科学と自然科学が同じ枠組みでの競争に参加せざるをえなくなるのではないかという見通しが語られました。また2022年から始まる第6期科学技術・イノベーション基本計画のすでに発表された原案の検討も行い、今後数年間にわたる中期的な科学技術政策の展望が分析されました。

最後の質疑応答の時間には、現在の科学技術政策において若手研究者への支援制度の拡充は優先的課題として取り組まれつつあるものの、それを各大学において制度的にサポートするためのURAなどの仕組みの整備や連携を進めていく必要があること、また若手支援とは対照的に欧州においてすでに実現している世代別助成金などのシニア研究者を含めた取り組みは手薄であることなどが、今後の課題として確認されました。総じて、現在の研究環境を形作ってきた科学技術政策の変遷を意識した上で、研究や大学行政に携わる各個人が戦略を立てていくことの重要性が語られました。

ELSIセンターでは、今後もこのようなプログラムの企画、実施を積極的に行なっていきたいと考えております。


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