人材育成・社会貢献

ELSIセンター研究会

ELSIセンター研究会「ELSIセンターをメタサイエンスする!─大阪大学ELSIセンター設立5周年記念企画」が行われました。

2025年5月20日、ELSIセンター研究会「ELSIセンターをメタサイエンスする!─大阪大学ELSIセンター設立5周年記念企画」@オンライン が開催されました。

大阪大学に設置された社会技術共創研究センター、通称ELSI(エルシー)センターは、この春、おかげさまで5年目を迎えました。この節目に、ELSIセンターの活動を「メタサイエンス」の視点から振り返る機会に、と企画された研究会でした。

当日は、登壇者を含め約68名が参加しました。

 

<イベント概要>
■ 開催日時:2025年5月20日(火)12:00〜13:00
■ 会場:オンライン(Zoom)​​*事前申し込み制
■ 主催:大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)
■ 協力:メタサイエンス研究会
■ 開催案内ページはこちら:https://elsi.osaka-u.ac.jp/contributions/3611

 

 

工藤 郁子 特任准教授による本研究会の趣旨説明の後、岸本 充生 センター長からは「ELSIセンターの5年間を15分で振り返る」と題して話題提供がありました。5年前のセンターの設立から現在までの展開について紹介しつつ、「人文社会科学系の産学連携というフロンティア」として学内外の様々な組織をELSI(Ethical, Legal and Social Issues)でつなぎ、アジャイルな研究スタイルで取り組み、各大学で設置が相次ぐELSIセンターの相互交流を深めていることを説明しました。その上で、5年を経た今だからこそ「ELSIセンター」を外側の視点から検討してみたいとして、メタサイエンスへの注目を示しました。

続いて、メタサイエンス・コミュニケーターとしてご活躍の丸山 隆一氏より、英米を中心に盛り上がるメタサイエンス運動の概説と、大阪大学ELSIセンターの活動へのコメント​​をいただきました。国内外のメタサイエンス運動の広がりを概説いただくことに加えて、科学哲学・科学史・科学技術社会論(STS)など「伝統的メタサイエンス」との関係性も分析されました。さらに、ELSI/RRI(Responsible Research and Innovation)とメタサイエンスに関する試行的整理も展開いただき、ELSI/RRIの研究・実践もまた広義のメタサイエンスと位置付けられるのではないかとの示唆をいただきました。

2つの話題提供を踏まえて行われたディスカッションでは、ELSIセンターの今後のあり方、資金提供者や関係者の多様化がさらに進む中で従来の利益相反と異なる部分はどこか、人文社会科学系の産学連携という先駆的取組みだからこそ生じうる諸課題への対応、メタサイエンス運動の省察性などについて議論が盛り上がりました。

本研究会で出てきた多数の論点を踏まえ、今後も引き続きELSIセンター自体について再検討する関連企画を実施していきたいと考えています。

 


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