人材育成・社会貢献

ELSIセンター研究会

ELSIセンター研究会「Science Communication as the Social Conversation Around Science」を開催しました。

2022年10月6日、ELSIセンター研究会「Science Communication as the Social Conversation Around Science」を開催しました。

今回の研究会は、来日中のBucchi教授(イタリアのトレント大学科学社会学科 教授)をゲストにお迎えしました。Bucchi教授は、サイエンスコミュニケーションの領域で、世界の第一線で活躍されており、科学技術社会論の著名な教科書も執筆されています。

この日の参加者はおもに大阪大学の関係者で、登壇者を含めた14名(Bucchi教授のほか、ELSIセンターメンバー数名がELSIセンターのミーティングルームに集い、そのほか、数名がオンラインで参加)が議論を行いました。

 

<研究会概要>
■ 2022年10月6日(木)16:00〜18:00
■ 実施形態:オンライン開催(*一部メンバーのみ現地参加)
■ ゲスト:Massimiano Bucchi, Ph.D(トレント大学科学社会学科 教授)
■ 話題提供:武田 浩平(大阪大学ELSIセンター 特任研究員)、森下 翔(大阪大学ELSIセンター 特任研究員)
■ 企画・進行:標葉 隆馬(大阪大学ELSIセンター 准教授)
■ 主催:大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)
*本セミナーは、JST/RISTEX科学技術の倫理的・法的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム(RInCA)「萌芽的科学技術をめぐるRRIアセスメントの体系化と実装(研究代表者:標葉 隆馬)」の一環として実施します。
■ 開催案内ページはこちら

 

まず、ELSIセンター 標葉 隆馬 准教授から、今回の研究会の趣旨説明がありました。

Bucchi教授には、ご自身の所属する大学組織の紹介とともに、COVID-19時代におけるサイエンスコミュニケーションの新しい理論と実践についてお話いただきました。具体的には、記者や編集者などの媒介者を経ずに、研究者や研究機関が直接、市民に語りかける機会が増大したことで、誰も内容の質を担保できなくなってしまったこと、COVID-19の際に顕在化したように混乱する意見の中で専門家への不信が生み出されていること、こういった時代だからこそ、科学をテーマにしたアートやフェスティバルなどに市民が参加し、科学者と会話することが重要になってくること、などを説明されました。

次に、現在、ELSIセンターメンバーから、進行しているプロジェクトの1つ、JST-RISTEX『科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム』「萌芽的科学技術をめぐるRRIアセスメントの体系化と実装」について紹介をする時間を持ちました。このブロジェクトの具体的な取り組みとして、武田浩平 特任研究員からは生命科学の技術に関するメディア分析の結果について、森下翔 特任研究員からは分子ロボット研究者と共同で進めている市民参画について、話題提供を行いました。

質疑応答の時間には活発な議論が行われました。イタリア本国のサイエンスコミュニケーションの現状と課題、責任ある研究イノベーション(RRI: Responsible Research Innovation)の概念とその性質、サイエンスコミュニケーションを一過的にではなく持続的に行うことの大切さなどを議論しました。


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