人材育成・社会貢献

ELSI Forum 2025「信頼できるデータ利活用のための『社会技術』:大阪・関西万博を事例として」を開催しました。

2026年1月30日に、ELSI Forum 2025「信頼できるデータ利活用のための『社会技術』:大阪・関西万博を事例として」を開催しました。

大阪大学社会技術共創研究センターでは、ELSIセンターと共創するパートナー同士をつなぐ場として、年に1回 ELSI Forumを開催してきました。今回は、4回目の実施になります。

ELSI Forum 2025のテーマは、「信頼できるデータ利活用のための『社会技術』」です。当日は39名が会場に集い、2025年4月から10月まで開催されていた、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を振り返りながら、データ利活用はどのような原則やルールに基づいて実施されるべきかを考えました。

 

 

<イベント概要>
■ 開催日時:2026年1月30日(金)13:30〜17:00
■ 会場:大阪大学中之島センター 5階
■ 主催:大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)
■ 協力:大阪大学COデザインセンター
■ 後援:公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)
■ 開催案内ページはこちら:https://elsi.osaka-u.ac.jp/contributions/4182

 

第1部では、主に大阪・関西万博のデータ利活用に取り組んできた関係者による話題提供と登壇者間のディスカッションを行い、これを踏まえた第2部では、5つのグループに分かれて産業界・行政・アカデミアからの参加者による情報交換を行いました。

第1部は、大阪大学ELSIセンター 岸本充生 センター長による趣旨説明、続いて、3名のスピーカーによる話題提供が行われました。
以下、関連リンク・講演スライド(PDF)も合わせてご覧ください。

話題提供1
「大阪・関西万博におけるデータ利活用の取り組み」
 大嵩 豪朗(公益社団法人 2025年日本国際博覧会協会 ICT局 担当課長)
大嵩氏からは、万博におけるSociety5.0実現のためのデータ利活用のルール整備の取り組み、さらには実際に人流データ等を活用し、より効率的な入退場への改善や、開催期間中の入場者数の最適化につなげた事例などを紹介いただきました。また個別のデータ利活用事業のプライバシーインパクトのアセスメントにあたり、VPIAとして、V=バリューという観点を含めたことの重要性が示されました。
(関連リンク:https://www.expo2025.or.jp/report/report-20251219-01/)

話題提供2
「大阪・関西万博 顔認証決済サービスにおけるデータ利活用の取り組み」(PDF: 2.8 MB)
 加藤 麻理奈(日本電気株式会社 デジタルファイナンス統括部 主任)
加藤氏からは、万博での顔認証決済サービスの実現の過程を事例として、VPIAプロセスの実際や実施意義が、アセスメントを受ける事業者の立場から具体的に紹介されました。複数回の検討サイクルを回して施策を検討することが、ユーザーだけでなく事業者にも有用になりうることが示されました。

話題提供3
「『未来社会の実験場』としての大阪・関西万博:データ利活用の仕組みを『ソフトレガシー』の1つに」(PDF: 2.4 MB)
 岸本 充生(大阪大学ELSIセンター センター長)
岸本センター長からは、日常の中に体験が溢れ、新規技術の導入にともなうリスクについても厳しく問われるようになった21世紀に万博を実施することの意義として、様々な社会実装を行う「未来社会の実験場」という性質が前景化したこと、また、今回の万博にはその実験に「参加と共創」するための緩やかなガバナンスが結果的に実現していたのではないかという指摘がされました。
(関連リンク:https://elsi.osaka-u.ac.jp/research/4170https://elsi.osaka-u.ac.jp/research/4202

 

第1部の最後には、大阪大学ELSIセンター 長門裕介 講師の進行で、話題提供者によるパネルディスカッションを行いました。データ利活用事業の「終わり方」を考えるという論点からも、今回の万博のデータ利活用実践の特殊性や一般性についての議論がありました。

 

第1部で紹介された事例などを参考にしながら、第2部では、5つのグループに分かれて意見交換を行いました。企業・行政・アカデミアからの参加者が、データ利活用における共創のための緩やかなガバナンスと厳格なガバナンスの関係や、炎上の問題への施策、VPIAの取り組みの展開、実効性のある専門家や有識者の関わり方などが議論されました。

第2部終了後のネットワーキングの時間も含め、共通する問題意識を通じた忌憚のないコミュニケーションが各所で行われ、共創のコミュニティとしての関係の成熟を実感できる取り組みとなりました。

 

 


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