人材育成・社会貢献
ブリュッセル効果への対応:日本企業はEU-AI法にどう備えるべきか4(5/12)
2025年5月12日に、大阪大学ELSIセンターが後援するウェビナーの開催を予定しております。
大阪大学ELSIセンターの工藤郁子 准教授が登壇します。
ブリュッセル効果への対応:
日本企業はEU-AI法にどう備えるべきか4
2024年5月21日にEUで成立し、8月1日に発効した「EU-AI法」は、AI技術の開発と利用に関する包括的な規制として注目されています。AI法の規制対象にはハイリスクなAIのほかに、汎用目的AIモデル(General-purpose AI models)に関する項目があります。
現在、欧州委員会(European Commission)AIオフィスは、この汎用目的AIモデルに関する規制ガイドラインの策定に向けて、パブリック・コンサルテーション(公開アンケート)を実施しています。
今回の公開アンケートでは、2024年に成立したEU AI法(AI Act)が規定する汎用AIモデルに関連する義務の適用範囲において、「どのようなモデルが規制対象となるのか」「どの時点で“提供”と見なされるのか」「オープンソースと認められる条件とは何か」といった重要な論点について、誰でも自由に意見を提出することができます。
AI法の規定において特に注目すべきは、同法がEU域内で提供・使用されるAIモデルに対して域外適用される可能性があることに加え、自社で作成した生成AIモデルに対してファインチューニングを行って業務に用いるだけの企業も「プロバイダー」として規制の対象となりうる点です。つまり、AIモデルを“開発していない”企業であっても、既存モデルを社内で再学習させて使用しているだけで適用対象となる可能性があるため、多くの日本企業が影響を受けるリスクがあります。
今回のアンケートはどなたでも参加可能であり、企業・団体・個人を問わず、オンラインで自由に意見を提出できます。これはEU AI法の具体的な運用ルール(ガイドライン)に直接影響を与えることができる非常に稀有な機会です。日本企業としても、将来の国際展開やEU市場でのビジネスにおいて不利益を被らないよう、自らの立場や現実的な課題を発信することが重要です。
今年3月まで実施されていたCode of Practice(CoP)草案に関する意見募集とは異なり、専門家としての意見を集約・提出する予定はないですが、本ウェビナーでポイントとなることを解説し、国内の関心のある人たちが意見を出すための参考となる情報を提供することを目的としています。
EUの規制動向がもたらす「ブリュッセル効果」や日本への影響について理解を深める機会としてAI関連技術の開発・提供・流通に関わる企業、研究機関、開発コミュニティの参加者のご参加をお待ちしております。
■ 日時
2025年5月12日(月)17:30-18:30
■ 実施形態
ZOOMウェビナー
■ 詳細
プログラム詳細、申し込み方法などは、東京大学国際高等研究所東京カレッジのウェブページにてご確認ください。
https://www.tc.u-tokyo.ac.jp/ai1ec_event/14910/
■ 主催
東京大学国際高等研究所東京カレッジ、東京大学未来ビジョン研究センター
■ 後援
日本ディープラーニング協会、大阪大学 社会技術共創研究センター