人材育成・社会貢献

人材育成

SEEDS2022分野横断型ワークショップ 「『新しい科学技術との付き合い方』を考える」@オンライン が行われました。

2022年10月8日(土)の午後、大阪大学SEEDSプログラムと連携し、高校生向けのワークショップを実施しました。

大阪大学SEEDSプログラム(大阪大学の教育研究力を活かしたSEEDSプログラム~未来を導く傑出した人材発掘と早期育成~)は、世界最先端の科学技術にいち早く触れてみたいという意欲的な高校生向けのプログラムです。SEEDSというプログラムの愛称は、「Science & Engineering Enhanced Education for Distinguished Students」の頭文字をとったもので、「これから伸びようとする人材(種:SEEDS)に、大学の研究に触れてもらうことで、研究に対する芽(目)を大きく伸ばしてもらうこと」を目的として、2015年度より実施されています(SEEDSプログラムウェブサイトより)。

2020年度以降、人文社会系分野や産業界などとの連携を深めつつ、今までの枠を越えた高大接続事業として発展させていくことを目指しているそうです。今年度もELSIセンターがワークショッププログラムを提供しました。

 

大阪大学ELSIセンター提供
SEEDS2021分野横断型ワークショップ
「『新しい科学技術との付き合い方』を考える」

 

オンライン形式で実施されたワークショップには、SEEDS受講生から募集した12人の高校生が参加しました。進行は主に八木絵香教授がつとめ、グループファシリテーター(グループディスカッション時のサポート役)として、ELSIセンターが連携するSTiPS(公共圏における科学技術・教育研究拠点)の履修生など6人が参加しました。

参加者募集時のお誘い文はこちら。

近年、AI(人工知能)技術の社会実装が進んでいます。そのことにより世の中が便利になりつつある反面、「法的・倫理的・社会的課題」など、AIの乗り越えるべき課題についてもまた、注目が集まっています。

今回のワークショップでは、SEEDS 生のみなさんがこの先直面する可能性がある身近な AIの利活用の事例として「AI面接」を取り上げます。

SEEDS生同士の議論や、専門家のコメントを聴きながら、「AI 面接」について考えることで、「新しい科学技術との付き合い方」について、多様な視点から考える時間にしたいと思います。

 

参加高校生は、八木教授による、「新しい科学技術との付き合い方」を考える上で必要な倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の観点についてのミニレクチャーを受けた上で、3つのグループに分かれて、ディスカッションを行いました。

まず前半で考えたのは、「AI技術を使った採用面接」について。「どんどん使って良いと思う?」それとも「使うことに抵抗がある?」のどちらかを、まずは直感で選んでみるところから、スタートしました。

 

後半は、AI面接をもう少し違った視点から考えてみました。参加高校生に投げかけられた問いは「もしも、AI面接が大学入試の面接に応用されるとしたら、どう感じますか?」というもの(ちなみに、架空のお題です。大阪大学で今導入の計画があるわけではありません)。

大学入試という高校生にとってはより身近で切実なテーマになったことで、前半の議論の時とはまた異なる意見をもつようになったり、他の人の発言を聞いて考えを修正したり、ということが起こっていました。

新しい技術を社会に導入するとき、何が起こるかということを事前にすべて予測することはできません。多くの人にメリットがあるからこそ、その技術が導入されるわけですが、特定の人に負荷がかかったり、権利を侵害してしまったり、ということが起きる可能性もあります。今回の議論を通して、そのようなことに気づいてもらえたのではないかと思います。

ワークショップ実施後、参加した高校生からは、以下のような感想が寄せられました(*読みやすくするために、実際に届いた文章に編集を加えて掲載しています)。

・一つの話題からどんどん議論が深まっていったり、ほかの人の意見を聞いて自分の考えが変わったりという経験ができて、とても楽しかったです。

・AIや科学技術についてもっと深く学びたいなと感じました。

・「公平性」というのはとても難しく、一見公平に思えるAIもそうではない部分があるというのが印象的でした。

 


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