プロジェクト概要
CtoCプラットフォームが普及・発展する中で、転売やダイナミックプライシング、カルチャーの異なる利用者同士の取引など、議論となりうる様々な事象が見られるようになっています。
こうした事象を詳しく見ていくと、デジタル社会における情報格差やシステム依存による消費者の脆弱性、匿名性や非対面性がもたらす責任の曖昧さ、多様な価値観を持つ参加者間でのルール理解の齟齬といった、検討を要する新たな課題が浮かび上がってきます。
本研究では、従来の売り手-買い手という単純な対立構造を超えて、CtoCプラットフォームにふさわしい新たな倫理の枠組みを提案します。プラットフォーム上での自由な取引を最大限尊重しながら、どのようなルールが望ましいのか、インターフェイスやアーキテクチャの設計によって改善できる部分は何かといった問題に取り組みます。
特に注目したいのは、利用者の暗黙の理解やファンコミュニティが自生的に生み出したルールです。これらを観察・分析することで、新しいルール構築に何が求められているかを多角的に考察し、デジタル時代における消費者保護と取引の自由のバランスを探っていきます。
主要メンバー
長門 裕介
鈴木 径一郎
関連情報
2025年7月までに取り組んできたこと
- ELSI NOTE No.55「Nintendo Switch 2 発売戦略の日米比較:経済・倫理・社会の観点から」を公開(2025年7月公開)
https://elsi.osaka-u.ac.jp/research/3897
(2025年8月4日現在)