What we do

協働研究所で進める研究内容

「メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所」では、人文・社会科学の知見を通じて、人類が市場やその他のさまざまな場を通じて日常的に行ってきた価値の交換・贈与・共有・流通などにまつわる営みを基礎的・根底的なレベルから問い直し、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」社会基盤の構築への道を示す「価値循環学」を確立することを目指します。

まず、企業活動の最前線におけるアクチュアルな課題をフィールドとして、新規科学技術の研究開発および新規開発されたサービス・プロダクトの社会実装におけるELSIの抽出を行います。加えて、RRI（責任ある研究・イノベーション）の実践のためのアクションリサーチの推進とモデル形成、および、価値循環学への論点抽出を行います。

さらに、価値循環学の基礎研究とELSI/RRIの実践研究による社会的インパクトの実現を最大化するための実践的なアウトリーチ活動を推進し、人文・社会科学系の産学連携における知識生産および情報発信そのものに関して、メタ的な視点から研究を行います。

1価値循環に関する基礎研究 2企業活動をフィールドとする研究 3研究成果を通した社会的インパクトの実現と実現手法の研究

1. 価値循環に関する基礎研究

根源的な問いと概念の再構築
「価値循環学（仮）」の構築

2. 企業活動をフィールドとする研究

責任ある研究開発ガバナンス実装の実践研究
ELSI人材育成・研修プログラムの構築
CtoCマーケットプレイスの倫理
新規技術・サービスのELSIの探索
責任あるアドボカシーの実践研究

3. 研究成果を通した社会的インパクトの実現と実現手法の研究

アウトリーチ活動の実践とアウトリーチ自体の研究
人文社会科学の産学連携研究のあり方の研究

Projects

現在進めている主な研究プロジェクト

1. 価値循環に関する基礎研究

「価値」の「循環」とはどのようなことか：価値の循環をめぐる概念工学的研究

メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所が掲げる「価値の循環」とはどのようなことか。価値とその循環をめぐる根源的な問いに概念工学的観点からアプローチし、価値の循環のあり方とその展望を明らかにすることを試みます。

CtoCプラットフォーム上の流通と権利

準備中

2. 企業活動をフィールドとする研究

責任あるアドボカシーの実践研究

本プロジェクトは、メルカリを主なフィールドとしつつ、企業が社会と向き合って制度をつくる現場を記録・分析し、公共政策に関する取組みを実践的に捉え直すアクションリサーチです。

研究開発倫理審査プロセスを中心とした研究開発ガバナンスの高度化と組織内浸透プロセスの体系化

企業内R&D組織をフィールドとしたアクションリサーチを行います。責任ある研究・イノベーション（RRI）の理念と営利企業としての合理性を両立する道筋を、研究開発倫理審査プロセスの高度化を通じて探求します。

ブロックチェーン／NFTのELSI探索：新規科学技術・サービスを形成するステークホルダーの調査研究

本研究プロジェクトは、ブロックチェーン／NFTを活用した製品・サービス形成に関与する様々なステークホルダーの実践を記録そして分析することで、新規科学技術を活用した市場構築のダイナミズムを焦点化します。

責任ある量子技術ガバナンス

STS・人類学・倫理学等の視点に基づき、量子技術の浸透した未来社会のヴィジョンを構想します。また、望ましい未来を実現するための「責任ある技術ガバナンス」のあり方について、総合的に検討します。

CtoCプラットフォームのための新しい倫理の基礎づけ

準備中

3. 研究成果を通した社会的インパクトの実現と実現手法の研究

人文社会科学系領域における産学連携の基盤構築に向けたアクションリサーチ

人文社会科学系の産学連携を主な対象として、異分野間の協働で浮かび上がる制度的・文化的課題の抽出、産学連携によるイノベーション創出に求められる人材・スキル・知見の特定、より複層的なKPIの策定等を目指します。