メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所では、人文社会科学の知見を通じて、「あらゆる価値が循環する社会」への展望を見通すため、価値の循環に関わる様々なテーマを対象にした研究を行っています。
「本企画メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所Cross Talk Program」は産学をつなぎ、さらに異分野の研究を交差させる対話の実験場です。多様な知の交差の中で新たな協働の可能性を拓き、未来社会に向けた大胆な問いを共有します。さらに、多様な知見と実践を結びつけ、あらゆる価値が循環する社会への道筋を描く契機となることを目指します。
メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所 Cross Talk Program
vol.1 フィールドからルールが生まれるとき ―スポーツ史と法学の対話―
第1回は「ルールの生成」をテーマに、現場からボトムアップで生まれるルール形成のメカニズムを探求します。
現代の科学技術ガバナンスやデータビジネス規制では、急速な技術変化に対してトップダウンの規制策定が追いつかない場面が多々見られます。一方で、実際の現場では実践を通じて自発的にルールやガイドラインが形成されていく事例も少なくありません。このような現場主導のルール生成は、過去の様々な領域でも観察されてきました。
今回は、近代イギリスフットボール史の専門家と情報法・ロボット法の専門家をお招きし、それぞれ異なる領域における「ルールが生まれる瞬間」についてお話していただきます。19世紀イギリスにおけるフットボール・ルールの普及やファンたちの受容のプロセスと、現代の新興テクノロジーの社会実装における規範形成を比較検討することで、ボトムアップなルール生成のパターンや浸透に必要な条件を見出し、現在進行形の科学技術ガバナンスへの示唆を得ることを目指します。
ゲストからの話題提供の後には参加者全体でのディスカッションを通じて、現場主導のルール形成が有効に機能する条件や、それを現代の技術ガバナンスにどのように活用できるかについて議論を深める予定です。
■ 開催日時:2025年9月29日(月)15:00〜17:00
■ 会場:大阪大学中之島センター 5階
*ハイブリッド開催を予定しています。
■ 対象:招待制
*大阪大学ELSIセンターの教員(兼担教員含む)、メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所の関係者が主な対象となります。
■ プログラム(予定):
15:00-15:10 趣旨説明
長門 裕介(大阪大学社会技術共創研究センター 講師)
15:10-15:45 話題提供1「イングランドのフットボールの歴史からルールについて考える:ゲーム/選手/観客の3つの観点から」
藤井 翔太(大阪大学社会ソリューションイニシアティブ 准教授)
15:45-16:20 話題提供2「慣習、法、自主規制 ボトムアップのルール形成」
赤坂 亮太(大阪大学社会技術共創研究センター 准教授)
16:20-16:25 休憩
16:25-16:55 全体討論
16:55-17:00 クロージング
■ 主催:
メルカリR4Dラボ・大阪大学協働研究所